「毎日忙しい急性期病院には疲れた」

「もっと患者さんとじっくり関わりたい」

そんな風に考える看護師さんにおすすめなのが回復期リハビリテーション病院です。

回復期リハビリテーション病院では、脳梗塞や骨折後の患者さんを3か月ほどかけてじっくり看護できる職場です。

今回は、そんな回復期リハビリテーション病院の仕事内容、向いている人の特徴、やりがい、給料について解説します。

ぜひ、参考にしてください。

回復期リハビリテーション病棟の仕事内容は?

回復期リハビリテーション病院は、急性期を脱した患者さんが回復していく時期=回復期にリハビリを行い元の生活に戻れるようにする場所です。

ここからは、回復期リハビリテーション病院で働く看護師の仕事内容をご紹介します。

全身状態の観察・管理

看護師は、回復期リハビリテーション病院においても毎日バイタルサイン測定、全身状態の観察を行い全身状態の管理に務めます。

急性期を脱した直後の患者さんは、脳梗塞後であれば脳梗塞が再発するリスクがありますので急変の兆候が無いか観察します。

また、大腿骨頸部骨折の患者さんであれば人工骨頭が脱臼するリスクがありますので患者さんが脱臼するような動きをしていないかの観察、注意点の説明をおこないます。

その他、既往歴に合わせて糖尿病を持っている方の血糖測定、インスリン注射や経管栄養投与中の患者さんに対しては栄養投与など患者さんの体調管理、健康維持を行います。

回復期リハビリテーション病院も急性期病院と同様で全身状態の観察・管理の必要性は高いです。

しかし、急変は起こりにくく、急性期病院よりは精神的に落ち着いて業務を実施することが可能です。

回復期リハビリテーション病院の求人では、「看護師臨床経験1年以上」としているところも多く、看護師経験が1年あれば問題無く働けることが多いです。

ADL・QOL向上のためのリハビリ看護

回復期リハビリテーション病院では、患者さんを在宅復帰に導くための場所なのでトイレ動作、お風呂介助、食事、全てをリハビリと捉え患者さんの在宅復帰を見据えた介入が求められます。

患者さんの個別性に合わせトイレ誘導、離床の促し、環境整備など1つ1つにリハビリ要素を盛り込み介入します。

患者さんのことを考え看護計画を立てて実践し、患者さんのADL・QOLがアップしていく様子をじっくりと見れるのは急性期病院には無い回復期リハビリテーション病院ならではの魅力です。

回復期リハビリテーション病院が向いている人の特徴は?

回復期リハビリテーション病院が向いている人の特徴は以下になります。

  • リハビリ看護に興味がある人
  • 多職種連携の架け橋になりたい人
  • 患者さんとじっくり関わりたい人

ここからは、上記を詳しく解説していきます。

リハビリ看護に興味がある人

回復期リハビリテーション病院では、常に患者さんの在宅復帰を見据えリハビリ看護の視点をもって関わることが求められます。

たとえば、トイレ誘導はどのタイミングで行えば失禁せずに住むのか、臥床傾向にある人にどのような介入をすれば離床時間を増やせるのか?などなど

そのため、回復期リハビリテーション病院で働くにはリハビリ看護に興味をもって貪欲に学び実践できる人が向いていると言えます。

多職種連携の架け橋になりたい人

回復期リハビリテーション病院では、患者さんの在宅復帰を目指すため医師はもちろんリハビリスタッフ、ソーシャルワーカーなど多職種と連携しチームで患者さんを支える必要があります。

そのため、回復期リハビリテーション病院が向いている人は「多職種連携の架け橋になりたい」と考えるコミュニケーション能力が高い人が向いていると言えます。

患者さんとじっくり関わりたい人

回復期リハビリテーション病院の看護師は、患者さんと3か月という長い時間じっくり関わりじっくり介入します。

そのため、回復期リハビリテーション病院では、「患者さんとじっくり関わりたい」という人が向いています。

逆に、患者さんよりは「治療や病態に興味がある」という人には回復期リハビリテーション病院は向いていません。

回復期リハビリテーション病院でのやりがいとは?

回復期リハビリテーション病院でのやりがいをまとめました。

  • 患者さんとじっくり関われる
  • 多職種連携や在宅支援について学べる

ここからは、看護師のやりがいを詳しく解説していきます。

患者さんとじっくり関われる

回復期リハビリテーション病院では、3か月ほどの時間をかけて患者さんとじっくり関わることができます。

始めは表情が暗く寝たきりだった患者さんが毎日3回のリハビリとリハビリ看護で徐々に車いすに乗れるようになり、杖で歩けるようになったときのやりがいは他では味わえない格別なものがあります。

また、毎日の嚥下体操や摂食訓練で経管栄養を投与していた患者さんがヨーグルトなどを食べれるようになり、胃管を抜去し口から食べれるようになると大きな感動を味わえます。

患者さんが回復していく時期にフォーカスしとことん関わることで患者さんがどんどん回復していく様子を1番近くで見れるのは回復期リハビリテーションにしかないやりがいと言えるでしょう。

多職種連携や在宅復帰について学べる

回復期リハビリテーションは、在宅復帰を目指す場所なので多職種連携や在宅復帰についてじっくり学べます。

本人、家族、ソーシャルワーカーと話し合い「自宅に帰るためにできるようになるべきこと」を洗い出し目標を立て計画を実践し患者さんが笑顔で家に帰る様子を見れるのは回復期リハビリテーションならではの魅力です。

また、ソーシャルワーカーと綿密に連携を取ることで在宅復帰に必要な社会保障制度について臨床的な情報を学ぶことができるのも回復期リハビリテーションの特徴です。

多職種連携や在宅復帰について興味がある人にはおすすめできるのが回復期リハビリテーション病院と言えます。

回復期リハビリテーション病院の給料は?

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると看護師の平均年収は491万円となっています。

看護師の平均月収は夜勤4回、残業ありで30万円程度です。

対して回復期リハビリテーション病院は夜勤4回、残業ありで25万円〜29万円程度であり、
看護師の平均月収に比べてやや低くなります。

理由としては、医療行為が少ないため看護師が取れる加算が少ないこと、緊急入院が無く残業が少ないことが考えられます。

しかし、急性期病院のように急変が起こることはほとんどないため精神的な負担は少ないですし、残業も少なく定時で帰れるため比較的「働きやすい」、「給料に不満はない」と感じている看護師が多いのも事実のようです。

回復期リハビリテーション病院は、「どんどん稼ぎたい」という方には不向きですが「自分のQOLを大事に精神的に落ち着いて働きたい」という方にはおすすめできる働き場と言えます。

まとめ

●回復期リハビリテーション病院の仕事内容は、「全身状態の観察・管理」、「ADL・QOL向上のためのリハビリ看護」

●回復期リハビリテーション病院に向いている人は、「リハビリ看護に興味がある人」、「多職種連携の架け橋になりたい人」、「患者さんとじっくり関わりたい人」。

●回復期リハビリテーション病院のやりがいは、「患者さんとじっくり関われる」、「多職種連携や在宅復帰について学べる」こと

●回復期リハビリテーション病院の月収は25万円〜29万円程度。看護師の平均年収よりはやや低い。

今回は、回復期リハビリテーション病院の仕事内容、向いている人の特徴、やりがい、給料について解説してきましたがいかがだったでしょうか?

回復期リハビリテーション病院は、患者さんとじっくり関わり回復していく様子を見れるという独自のやりがいがある働き場です。

転職を考えているようであれば、回復期リハビリテーション病院も視野に入れてみることをおすすめします。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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